【高校地理】2-11. 日本の地形、地震・火山 | 2. 世界の地形
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公開日: 2021年8月19日
はい、皆さんこんにちは。高校地理の授業動画、「世界の地形」第11回は「日本の地形(フォッサマグナなど)、地震・火山」です。
【目次】
0:00 イントロダクション
0:32 日本周辺の4枚のプレート
1:37 海溝
2:21 火山前線(火山フロント)
3:40 山地の地形
4:06 日本の国土と河川
4:52 フォッサマグナ
5:56 中央構造線
6:25 日本列島の誕生
7:58 海溝型地震と直下型地震
9:39 火山による災害と恩恵
10:23 防災と減災【確認問題のURL】
https://forms.gle/3KMeezEXtxCguUqV7【今回の動画の内容を文章と画像で確認されたい方はこちら】
https://www.geography-lesson.com/japan-topography/【参考文献】
・『山はどうしてできるのか』藤岡 換太郎(2012) https://amzn.to/37SLHXx
→ さまざまな山のでき方について、日本のみならず世界の山々を例に解説した本です。
・『NHKスペシャル 列島誕生』NHK(2017) https://amzn.to/3iWlPjM
→ 日本列島の形成過程がより詳しく紹介されています。NHKオンデマンドでも観られますが、さすがNHKというCGをふんだんに使った分かりやすい映像です。
・『リアルな今がわかる 日本と世界の地理 (だからわかるシリーズ)』砂崎 良(2020) https://amzn.to/3giMeGS
→高校地理の参考書の一つですが、写真がとにかくたくさん載っていて、パラパラと眺めているだけでも楽しい一冊です。地形のみならず、気候も写真がたくさんです。
・『ドローン空撮で見えてくる日本の地理と地形』藤田 哲史 (2021) https://amzn.to/3me44yj
→こちらも写真がとにかくたくさん載っていいて見ていて楽しいです。日本で見られる様々な地形をドローンで撮った写真とともに解説されています。#地理 #地形 #フォッサマグナ #高校地理 #地理B #中央構造線 #プレート
「日本の地形にはどんな特徴があるの?」
ということで、ここまで世界全体の地形を学んできましたが、今回は、日本の地形的特徴とそれに伴う自然災害について勉強していきましょう。なお、日本の地形は「世界の気候」の後で勉強する学校が多いかと思いますが、地形の話なのでこの単元に含めています。
ではいきましょう。動画は大きく3つのパート、
1 4枚のプレートが作り出す地形
2 構造線と日本列島の誕生
3 自然災害と防災・減災という構成です。
先ずは「4枚のプレートが作り出す地形」について。
こちらは世界全体のプレートの分布を表したものです。世界には全部で十数枚のプレートがあるのですが、日本はそのうち4枚ものプレートがちょうどぶつかる、世界でも大変珍しい場所です。このことが、日本の地形的特徴を作り出しています。さて、4枚のプレートを詳しく見てみると、東日本が位置するのが、北米大陸から続いている北米プレート。西日本が位置するのが、ユーラシア大陸から続くユーラシアプレート。この2枚が、陸地を構成するプレートで、大陸プレートと呼ばれます。海を構成するプレートは海洋プレートと呼ばれます。
東日本に向かって太平洋側から動いている海洋プレートが、太平洋プレート。西日本に向かって南東から動いている海洋プレートが、フィリピン海プレートです。こうして日本はプレート同士がぶつかる「狭まる境界」に位置しています。
この4つのプレートの名前と位置、それから動いている方向を、先ずはしっかりと覚えた上で、作られる地形を一つずつ理解しましょう。
まずは、海の底に作られる、海溝。
海洋プレートは、大陸プレートよりも重たい成分で出来ているので、ぶつかると、海洋プレートが大陸プレートの下へ沈みこんでいきます。その結果、境界線では、海の底に深い溝ができます。これが海溝です。太平洋プレートが沈み込んだ場所は、日本海溝。フィリピン海プレートが沈み込んだ場所は南海トラフと呼ばれます。トラフというのは、海溝の中でも比較的幅が広くて浅いもののことです。
Google Earthで見てみると、海底に深くなっている溝がはっきりと見えます。こっちが日本海溝で、1番深いところで深さ約8000mにもなります。そして、こっちが南海トラフです。
さて、沈み込んだ海洋プレートは、地下で溶けてマグマを生み出します。このマグマが上昇して地上に吹き出すところが火山になります。そのため、海溝のやや陸地側、この図でいうと海溝のやや左側には、たくさんの火山が帯状に並ぶ火山帯が形成されます。これが、日本に火山が多い理由です。そして、火山帯の中でも一番海溝に近い火山を結んだラインを、火山前線あるいは火山フロントと言います。
日本には大きく2本の火山前線があります。太平洋プレートの沈み込みで形成される火山前線がこのライン。もう一本が、フィリピン海プレートの沈み込みで形成されるこのラインになります。
伊豆半島はもともと太平洋で作られた海底火山でした。それが、フィリピン海プレートに乗ってちょっとずつ動いてきて、本州にぶつかってくっつくことで、形成された半島です。
なお、日本に火山が多いとは言っても、日本の山が全部火山というわけではありません。たくさんの山が連なる山脈は、プレートの移動によって横から圧縮されてできたものです。このような山地を褶曲山地や断層山地と言います。例えば、日本の北アルプスや南アルプスは、伊豆半島が本州に衝突したことで作られました。
このため、日本には急峻な山が多く、国土の約7割が山地です。
そして、山から流れる日本の川は、距離が短くて勾配が急という特徴もあります。そして、川の流れが急であると言う事は、河川が山を削る侵食作用や、土砂を運ぶ運搬作用も大きいと言うことです。そのため日本の平野の多くは河川によって運ばれた土砂が堆積した沖積平野となっています。
沖積平野を始め、川と地形の関係を復習したい方は、「河川が作る小地形」の動画も併せてご覧ください。
続いてのパートは、構造線と日本列島の誕生です。
構造線というのは、そこを境にして、地面の性質が大きく異なりますよ、という境界線のことです。そして、日本にはフォッサマグナと中央構造線という大きな2つの構造線があります。
フォッサマグナというのは、本州のちょうど真ん中あたりにあって、北米プレートとユーラシアプレートの境界になります。かなりの幅のある帯状の地帯で、フォッサマグナの西側の端のラインを、糸魚川=静岡構造線と呼びます。
フォッサが溝、マグナは大きいという意味で、直訳すると大きな溝という意味なのですが、今ここに大きな溝があるということではありません。昔はここに、深さ6000mにもなるようなとっても深い溝があってここは海の底だったことから、フォッサマグナと呼ばれています。
今ではこの溝はもう埋まって陸地になってますが、溝だった部分と元から陸地だった部分では、岩石の種類などが大きく異なっています。もう一つ、中央構造線というのは、西日本を東西に長〜く走っている線です。Google Earthで見てみると、紀伊半島から四国にかけて、まるで山がスパッと切られたみたいに線が入っていますが、ここが中央構造線です。これは、プレートの境界ではなく、ユーラシアプレートの中にある断層なので注意してください。
そして、中央構造線より日本海側を内帯、太平洋側を外帯と呼びます。で、じゃあどうしてフォッサマグナや中央構造線がここにあるのかというと、かなり発展的な補足説明になるのですが、日本列島のできかたが関係しています。
日本はもともとユーラシア大陸の端にくっついていました。
ここに、東から太平洋プレートがやってくると、地球内部でこのようにプレートの沈み込みとは反対方向にマントルの対流が生じて、日本を大陸から引き剥がしてしまいます。今から約2000万年前の話です。こうして大陸と日本の間に海ができました。後の日本海です。この時点では日本はまだ一本の細長い島だったのですが、南東からやってきたフィリピン海プレートの力も加わって、くるっと回るようにポキリと折れてしまいました。この折れたところがフォッサマグナです。そして中央構造線は、日本が大陸から離れるよりもずっと昔、1億年以上前に形成されました。ユーラシア大陸の南の方で作られた新しい土地が、ずれ動いて北上してきて、元々あった土地にくっつきました。このズレた断層が中央構造線で、元々大陸の方にあった古い土地が内帯、南からやってきて後からくっついた新しい土地が外帯にあたります。
そのため、内帯の方がより古くて、侵食が進んでいるため、なだらかな山地が多いのですが、後から作られた外帯は急峻な山が多くて平地が少ないという特徴があります。最後のパートは自然災害と防災・減災。
プレート境界に位置する日本では避けることのできない、地震や火山についてです。先ずは地震から。
地震は、大きく2つのタイプ、海溝型地震と、直下型地震に分けられます。海溝型地震というのは、プレートの境界で起こる地震です。海洋プレートが沈む時に歪められた大陸プレートの端が、バーンと跳ね上がることで起こる地震です。沈み込むプレートが震源となるので、震源が比較的深いという特徴があります。また、津波を引き起こしやすいのもこのタイプです。
2011年3月11日の東日本大震災は、この海溝型地震でした。
近い将来には、西日本の南海トラフを震源とする大地震が起こる可能性も高いと言われいます。一方で直下型地震というのは、プレートの内部で起こる地震です。
プレートというのは動くことで力が加わるため、、境界以外の場所でもひびが入ったりずれ動いたりすることがあるんですね。そういうプレートの内部で動きがある部分を活断層と言います。直下型地震は、この活断層がずれ動いて起こる地震です。海溝型地震と比べると比較的規模が小さいことが多いのですが、人の住むすぐ足ものと浅いところが震源となるので、大きな被害を受けることがあります。
例えば、2016年に起こった熊本地震は、中央構造線上の活断層で起こった直下型地震で、1995年の阪神淡路大震災も直下型型地震でした。こちらは日本の主な活動層を表したものですが、日本中どこだって活断層だらけですね。まだ見つかっていない活断層もあるでしょうし、日本だったらどこに住んでいても地震のリスクはあると言っていいてでしょう。
さらに、日本には、地震だけでなく火山もたくさんあります。
2014年に起こった御嶽山の噴火では、噴石と言って、噴火で吹き飛ばされた岩石が空から降ってきて、その岩石が直撃することで多くの方が亡くなりました。
1991年に噴火した長崎県の雲仙・普賢岳では、火砕流と言って、火口から一気に流れ降りてきた高温の火山ガスや火山灰などに巻き込まれて犠牲となった方が多くいました。さらに、火山から噴き上げられる火山灰は、何日にも渡って上空を多い、日光を遮って農作物に被害をもたらすこともあります。
こうした自然災害の危険が多い一方で、温泉や地熱発電などは、火山が多いからこその恵みとも言えますです。
最後に、防災・減災について。地震も火山も正確に予想するのは現時点ではほぼ不可能ですし、災害が起こった時に、どうやって被害を少なくするかを考える必要があります。
そこで特に重要な役割を果たすのがハザードマップです。ハザードマップというのは、洪水や津波などが発生した際に、ここまでは浸水しそうですよとか、ここは土砂崩れの危険がありますよとか、被害の予想範囲や避難場所などが書かれた地図です。
説明文の続きを見る
【高校地理】世界の地形
- 【高校地理】2-1. 地球のすがた(大陸の高度別面積割合) | 2.世界の地形
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