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【高校地理】2-6. 大地形の区分(3)(安定陸塊) | 2. 世界の地形

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公開日: 2020年6月14日

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#地形
#安定陸塊
#楯状地
#卓上地
#準平原
#構造平野
#ケスタ
#メサ
#ビュート

(2020.06.13)
タイトル画面の「地形」が「地系」になっていたので、古い動画を削除してアップロードしなおしました。

高校地理の授業動画、世界の地形、
第6回は大地系の区分3、安定陸塊です

前回・前々回の内容をざっと復習します。
世界の陸地は、造山運動が起こった時期によって
安定陸塊、古期造山帯、新期造山帯に区分されました。

これらを形成時期、分布、取れる資源、の3つの観点から整理していきます。
新期造山帯、古期造山帯を前回・前々回の動画で解説したので、
今回の動画は、一番古い安定陸塊についてです。

遥か大昔、先カンブリア時代に造山運動を受けて以来、造山運動を受けていない場所。
地震や火山なども少ないので、安定した陸の塊(かたまり)と書いて、安定陸塊です。

安定陸塊はさらに2種類に分類されます。1つ目が楯状地、もう一つが卓状地です。
何が違うかというと、表面に出ている地層の違いです。

楯状地というのは、こちらの図のように侵食が進んで平坦な地形となり、
先カンブリア時代の地層が露出している地形です。
このような場所は横から見ると、全体として楯を伏せたような形、
楯と言うのはRPGのゲームなどに出てくる剣と楯の楯、
シールドですがその楯を地面に伏せたような形になっていることから、楯状地と呼ばれます。

そして、楯状地の上に広がる平たんな土地は、準平原と呼ばれます。
準平原とは、平地のうち、侵食が進んだ結果形成された平地を指します。

一方で卓状地と言うのは、楯状地の周辺に広がることが多いのですが、
先カンブリア時代の岩盤を土台として、
その上に古生代以降の地層が積み重なっている地形のことです。

地層が積み重なるってどういうことかというと、
もちろん雪みたいに上から新しい土が降ってくるわけではありません。
土台となる土地が先カンブリア時代に形成された後、
地面全体が緩やかに沈降したり、地球の気候の変化によって海水面が上昇したりして、
この土台部分が海や湖の底に沈んで、一時的に海底になることがあります。

この海底となった先カンブリア時代の地層の上に土砂がたまって、
新しい地層が形成されて、
そしてまた海面が下がったりして陸地に戻ると、
そこにはこのように卓状地が形成される、ということになります。
地層がほぼ水平に積み重なり、全体としてテーブルのような形に見えることから、卓状地と呼ばれます。

そして、卓状地の上に広がる平地は、構造平野と呼ばれます。
紛らわしい部分ではあるのですが、楯状地の上に広がる平地が準平原、
卓状地の上に広がる平地が構造平野、と考えてください。

このように、楯状地と卓状地、
どちらも先カンブリア時代に土台ができたものではありますが、
表面に出ている地層が先カンブリア時代のものか、あるいは古生代以降のものか、
という点で区別されると整理しましょう。

では、安定陸塊の分布を見ていきましょう。
代表的な安定陸塊の場所として9か所紹介します。
大まかな分布をイメージできるようになって欲しいので、
分布の形状は大まかに示していきます。

南米大陸からアフリカ、アラビア半島、インド、オーストラリアにかけては、
一つの巨大な大陸で、この巨大な大陸を「ゴンドワナ大陸」と呼びました。
(プレートテクトニクスを説明した動画を参照してください)
数十億年前から存在していた大陸なので、そうした大陸の内側は、
地震や火山のほとんどな安定な場所だ、と考えると覚えやすいかと思います。

さらに、この安定陸塊では、こちらの写真のような
特徴的な地形が見られることがあります。
こうした地形はどのようにしてできるのでしょうか。

先ずは、オーストラリアのエアーズロック。
楯状地に見られる地形です。

楯状地というのは、地表が削られて削られて、
先カンブリア時代の地層が地表にむき出しになっている平地でしたが、
侵食が進む途中で、固い部分があると、
そこだけ侵食が進まずにボコッととり残されて
飛び出たような地形になる部分があります。
このような地形を、残丘(モナドノック)といいます。

オーストラリアは「オーストラリア楯状地」という安定陸塊が分布しますが、
「エアーズロック」は、このオーストラリア楯状地に形成された
世界で一番大きな残丘(モナドノック)のいちれいです。

続いてアメリカのモニュメントバレーでみられるようなこうした地形。
こちらは、構造平野で見られる地形です。

構造平野は、先カンブリア時代の土台の上に、
いくつかの地層が重なって形成されていました。

この地層、全て同じ硬さでは無くて、
地層によって硬い地層と軟らかい地層があります。
すると、こんな風にある場所では硬い層で侵食が止まって、
その周りでは次の硬い層で侵食が止まっている、なんていう場合に、
テーブルみたいな形で残った地形が形成されることがあります。
これを「メサ」といいます。
メサがもっと細くなって棒みたいになって残っているのが「ビュート」です。

写真で見るとこんな感じです。
アフリカの乾燥地帯などでよく見られます。

そして、構造平野の最重要地形と言ってもいいのが、「ケスタ」です。

このように「硬い地層」「軟らかい地層」と重なっている部分が、
地殻変動によって緩やかに傾斜すると、
軟らかい地層から先に削られていくことになります。
これを、「選択侵食」あるいは「差別侵食」といいます。

この選択侵食が起こると、片方は急な崖、もう一方は緩やかな斜面が続くという
傾斜が非対称な地形が形成されます。
こうして形成されるのが「ケスタ」です。

一番有名なのはフランスのパリ盆地で、
この緩やかな斜面の部分がブドウ畑に利用されて、
フランスのワイン生産を支えています。

他にも、ロンドン盆地や五大湖周辺でも見られて、
有名なナイアガラの滝は、この急な崖の部分を水が流れ落ちる部分です。

ということで、安定陸塊に見られる特徴的な地形、
残丘、メサとビュート、そして、ケスタ、この4つを押さえておきましょう。

では、これが最後のスライド、
安定陸塊で取れる資源についてです。

新期造山帯で取れる資源は石油、古期造山帯で取れる資源は石炭でしたが、
安定陸塊で取れる資源は「鉄鉱石」です。

世界地図に、鉄鉱石の取れる主な鉱山を示した地図です。
安定陸塊と分布が重なる場所が多いのが、見て取れます。

ではなぜ安定陸塊で鉄鉱石が多く産出するのかというと、
これも、古期造山帯の石炭同様、当時の地球の様子と関係があります。

安定陸塊というのは、先カンブリア時代に形成された地質でした。
まだ、生命は海の中にしか存在していません。
地球では、海の中で最初の生命が生まれ、
そして海の中で光合成が始まって酸素が作られました。

光合成によって生じた酸素は、先ずは海の中に溶けている物質と結合します。
当時の海の中には大量の鉄イオンが存在していて、これが酸素と結びついて、
酸化鉄となって固体として海の底に堆積していきました。
これが、鉄鉱石のもとになります。
こうして、先カンブリア時代には大量の鉄鉱石が海の底に作られました。
そのため、当時の地層が見られる安定陸塊では、
鉄鉱石がよく取れる場所が見つかるのです。

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タブレットで書いたとは思えない丁寧で読みやすい字!そして分かりやすい説明!画面構成上、地味と言えば地味ですが、むしろ必要十分と言えるコンパクトな問題解説動画です。

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