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【高校地理】2-4. 大地形の区分(1)(新期造山帯) | 2.世界の地形

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公開日: 2020年6月14日

#地理
#地形
#新期造山帯

(2020.06.13)
タイトル画面の「地形」が「地系」になっていたので、古い動画を削除してアップロードしなおしました。

高校地理の授業動画、世界の地形、第4回は
大地系の区分(1)(新期造山帯)です。

今回は、世界に広がる大地形、特に陸地を区分する、
分類するにはどのような考え方で区分するのか、という話です。

これがわかると、
世界にはどうして凸凹な場所と平らな場所があるんだろう、
という疑問に答えられるようになります。

世界には、平らな場所、ちょっと凸凹な場所、
すごくでこぼこしてギザギザな場所があります。
なお、このような場所を地理学的には「急峻」と言います。

このような違いがある理由は、
そこに山が形成された時期が違うからだ、と考えます。

どういうことかと言うと、
平らな地形は、昔は山があったんだけれど、
山ができてから長い年月が経っているから、
雨風に長期間さらされて削られて平らになってしまった。

一方で、このように急峻な山は、
できてからの日が浅いから、削られた程度が少なくて
ギザギザのままなんだ、と考えます。

このように、山が形成された時期によって
世界の陸地をいくつかに分類し、
それによってそこに広がる地形を説明しようというのが、
今回と次回の動画のポイントです。

具体的にはこちらの表のように分類します。
地形を何億年という単位で考えるときに使うのが
この地質時代という時代区分なのですが、
地球が誕生した約46億年前から5.4億年前までの約40億年間を先カンブリア時代、
5.4億年前から2.5億年前が古生代、
2.5億年前から6600万年前が中生代、
そこから現在までを新生代と呼びます。

そして、山が形成されることを造山運動と言います。
この先カンブリア内に造山運動が起こり
その後は造山運動が起こっていない場所、これを安定陸塊と呼びます。
古生代に造山運動が起こって、その後は造山運動が起こっていない場所が、古期造山帯。
中生代以降現在までの間に造山運動が起こった場所
あるいは今も造山運動が続いている場所を、新期造山帯と呼びます。

古くに形成された場所ほど、長い間雨風にさらされてきたことになるので、
侵食された時間の長さは、
安定陸塊、古期造山帯、新期造山帯の順で長いと考えられます。

そして、侵食された時間が長ければ長いほど、
削られて角が取れて平らになっていくと考えられるので、
そこに広がる陸地はこのように、
新期造山帯はとんがっている・急峻である、だけど、
しばらく削られた古期造山帯では丸みを帯びてきて、
さらに長いあいだ削られた安定陸塊は平らになります。

若いうちは荒削りで尖っているけれど、
歳をとるにつれて雨風にさらされて少しずつ角が取れて丸みを帯びていく。
まるで人間のようですけれど、
世界の地形もこのように年をとっていくにつれて
丸くなっていくと考えられています。

この3つ、
安定陸塊、古期造山帯、新期造山帯点について

今申し上げた形成時期に加えて、
分布(代表的な山脈名)、
そこで取れる資源。
この3つで整理していきましょう。

まずは一番新しい地形、新規造山帯についてです。

新期造山帯は、中生代から現在にかけて造山運動が続いている場所です。

分布をこちらの世界地図で確認しましょう。
山ができる場所というのは、基本的にはプレート同士がぶつかっている場所、
すなわり、前回の動画で学んだ「狭まる境界」です。
そのため、新期造山帯が広がる場所は、
「狭まる境界」の分布と重なります。

具体的には、大きく2箇所に分けられます。

1つ目は、太平洋プレートの周辺、
南米大陸の西側から太平洋をぐるっと囲うようにして
日本、フィリピン、そしてニュージーランドまで続く
「環太平洋造山帯」です。

もう1つは、東南アジアからヒマラヤ山脈をとおり
ヨーロッパ、それからアフリカ大陸の北部へと続く
「アルプス=ヒマラヤ造山帯」です。

この二つの新期造山帯の分布が、
プレートの「狭まる境界」とほぼ重なっていることを
前回の動画や地図帳で確認しておいてください。

この新期造山帯の中で覚えておきたい具体的な山脈を紹介します。
どれも代表的なものなので、右側に書いたこの山脈、
場所と名前が全て一致するように頑張りましょう。

先ず「環太平洋造山帯」に含まれる山脈。
南米大陸のアルプス山脈。そして北米大陸のロッキー山脈、アラスカ山脈です。
山脈名ではありませんが、日本、フィリピン、ニュージーランドが含まれることも確認しておきましょう。

次に「アルプス=ヒマラヤ造山帯」に含まれる山脈。
インドプレートとユーラシアプレートにぶつかった、ヒマラヤ山脈。
ピレネー山脈、「世界の屋根」と呼ばれるパミール高原、ザグロス山脈、カフカス山脈、アルプス山脈、ピレネー山脈、そしてアフリカ大陸北部にあるアトラス山脈です。

形成時期、分布ときて、
整理ポイントの3つ目、そこで取れる資源です。

新期造山帯でとれる代表的な資源は、ずばり石油です。
ほかにも、銅、鉛、すずなどの「非鉄金属」と呼ばれる資源も
新期造山帯で取れやすいのですが、
先ずは新期造山帯といったら石油と覚えておきましょう。

どうして石油が取れやすいのかというと、
石油の採取方法と関係があります。

石油自体は地球上の色んなところにあるのですが、
採取しやすい場所と採取しにくい場所があります。
石油というのは油なので、水より軽くて、
地下水がある場所では地下水に浮かびます。

地下水が水平に存在する場所では、
石油もその上に薄く存在することになるため、
穴を掘ってもうまく吸い上げることができません。
イメージとしては、平らなお皿の上にジュースが広がっていて、
それをストローで吸おうとしている状態です。
お皿の上にジュースが残ってしまってうまく吸えません。

では、どういう場所ならジュースをストローで吸いやすいかというと、
コップの入ったようにジュースに底が深くなっている場所です。

地形でいうと、このように地層が曲がっているところです。
このように地層が曲がることを「褶曲」といい、
上に凸の部分を背斜構造、下に凸の部分を向斜構造といいます。

褶曲した地層の背斜構造のところで、
地層の中に水を通さない層があると、
その層に挟まれて地下水がたまり、
その上に石油が溜まる場所ができます。
こういう場所では穴を掘ってパイプをさせば、
効率よく石油を採取することができます。

そして、この「褶曲」は大地がぐにゃりと押しつぶされた時に起こるため、
プレートの「狭まる境界」の近くで見られることが多いです。
プレートの「狭まる境界」は新期造山帯と重なるため、
石油は、新期造山帯でよく取れる、ということになります。

実際、こちらが世界の主要な油田の分布を示したものなのですが、
新期造山帯の近くに多いことが分かります。

とは言え、繰り返しになりますが
新期造山帯以外の場所でも石油は存在しており、
あくまで「褶曲している地層だと採取しやすい」という程度で考えておきましょう。

はい、今回の動画は以上となります。
古期造山帯、安定陸塊については、
次回の動画で解説していこうと思います。

感想や質問等があれば、
コメント覧までお気軽にどうぞ。
ではまた次回、さようなら。

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