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【高校地理】2-10. 氷河地形、カルスト地形、サンゴ礁 | 2. 世界の地形

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公開日: 2020年7月27日

#高校地理
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#地理B
#サンゴ礁

前回まで、河川や海岸に見られる小地形を見てきました。
「小地形って、他にはどんなものがあるの?」
ということで、今回はそれ以外の小地形をまとめて解説したいと思います。

動画の構成は、
氷河がつくる「氷河地形」
石灰岩がつくる「カルスト地形」
「サンゴ礁の作る地形」です。

早速、氷河地形から見ていきましょう。

【氷河地形】

氷河というには、このような大きな氷の塊のことです。

雪がたくさん降ってかつ寒い場所、緯度や標高が高い場所では、
降った雪が夏でも溶け切らずにどんどん積もっていきます。
そうして何十メートルにも積もった雪が重さでぎゅっと押し固められて、
大きな氷の塊になります。

この氷の塊が斜面にある場合、自分自身の重さによって、
ズルッ、ズルッと少しずつ、1日に数センチくらいの速さで、
下にずり下がって流れていきます。

氷河は「氷の河」と書きますが、
こうして氷の塊がゆっくり動く様子がまるで河の流れのように見えることから
巨大な氷の塊が氷河と呼ばれるようになりました。

動くスピードは遅いのですが、
厚さ数十メートルの巨大な氷の塊が重力に引きずられて動くので、
河川と比べると削る力(侵食力)と運ぶ力(運搬力)がはるかに強力です。
そのため、氷河が動いたあとの場所は、
地面が大きく、大胆に削り取られます。

こうして氷河が動くことで形成された地形を「氷河地形」と言います。

では、実際の氷河地形を、
Google Earthを使ってスイスとイタリアの間に位置する
アルプス山脈で見てみましょう。

先ずはカール。
このように、山の上の方が氷河でえぐり取られて、
まるでアイスクリームをスクープですくったみたいに
お椀状に窪んでいるところを「カール(圏谷)」といいます。

そして、カールの下の方、
氷河が通ったあとに作られる谷がU字谷と呼ばれます。
文字通り横から見るとアルファベットのUの字のようになっています。
このU字谷が海に沈むと、前回動画で見た、フィヨルドになります。

また、周りが氷河によって削られて、
こんな風に残った尖った山は「ホーン(尖峰(せんぽう))」と呼ばれます。
アルプス山脈のマッターホルンは、このホーンの代表例です。

さらに、流れた氷河の終わりの部分には、
氷河が運んできた岩クズなどが堤防のように
堆積したモレーンと呼ばれる丘があります。
普通の川では動かないような大きな岩も氷河は動かせるので、
氷河が溶けた後には、川では運べないような大きな岩などが残って、
モレーンが形成されます。

このモレーンによって堰き止められてできた湖、
もしくは氷河が削った凹みに水が溜まってできた湖が「氷河湖」です。

これらに加えて、
氷河の下を流れる水が運んだ土砂が細長く堆積した「エスカー」や、
作られ方はモレーンと一緒なのですが、堤防場ではなくて
クジラの背中のようにこんもりした丘になった「ドラムリン」
なども、氷河地形の例です。

こうした氷河地形は、日本でも見ることができます。
例えば、カールの例としては、飛騨山脈、別名北アルプスにある
涸沢カールなどがあります。また、ホーンの例としては、
同じく北アルプスにある槍ヶ岳などがあります。
どちらも、自分のように登山をする人間にとっては
聖地のような場所です。

なお、今見てきたような山の上にある氷河、
カールやホーンを作る氷河になりますが、
こういう氷河は「山岳氷河」と呼ばれるのですが、
氷河は大きく2種類に分けられて、
「山岳氷河」以外に、陸地全体を広く覆うようなタイプの氷河もあり、
これを「大陸氷河」あるいは「氷床」と言います。

現在、大陸氷河が見られる場所はほとんどが南極大陸で、
あとはグリーンランドの内陸部分に少し存在しているのみです。

ですが、地球の気温が今より低かった頃には、
この大陸氷河が今よりも大分広い範囲に分布していました。

「最終氷期」と呼ばれる今から約7万年前、
これが地球の気温が低い「氷期」の1番最近のものなのですが、
この頃には氷河がこのあたりまで広がっていました。

ヨーロッパだとこのあたり、イギリスやスカンジナビア半島は全部氷河に覆われていて、ドイツの北部まで氷河でした。
農業の分野でも再登場する話ですが、
このため、ドイツより北のヨーロッパは、
氷河によって地面の表面が削られていたため、
土壌が痩せて農業にあまり向いている土地ではなくなっています。

また、北米大陸だとこのあたりまで氷河でした。
五大湖がすっぽり覆われていますが、
五大湖は、氷河によって削られた氷河湖の世界最大のものです。
ちなみにこの五大湖に流れるナイアガラの滝、安定陸塊の動画の中で
「ケスタ」の一例としても説明しましたが、
構造平野の柔らかい地層を削った力の正体が氷河で、
氷河で削られてできたケスタに
水がたまってできた氷河湖が五大湖、という風につながります。

【カルスト地形】

続いては、カルスト地形です。
カルスト地形とは、石灰岩が作り出した特徴的な地形のことを指します。

石灰岩というのは、炭酸カルシウムを主成分にしてできている岩石のことです。
セメントの原料になるほか、鉄やガラスを作る際にも使われます。
また、チョークやグランドの線引きの粉も炭酸カルシウムが主成分です。
主に、

そしてこの石灰岩の成分である炭酸カルシウムというのは、
雨に溶けやすいので、もう少し正確に言うと、雨水中の二酸化炭素と反応しやすいため、
石灰岩の土地に雨が降ると地面がだんだん溶けていきます。
これを「溶食」と言うのですが、この溶食によって
石灰岩の土地に作られた色々な地形を
ひっくるめてカルスト地形と言います。

模式図でカルスト地形の例を見ていきましょう。
溶食によってできた地面のくぼみのことを、ドリーネと言います。ドリーネの直径は数メートルから数百メートルくらいなので、近くから見てポコっと凹んでいるのが分かるくらいの大きさです。
侵食が進んで、ドリーネ同士が繋がって大きな窪地になったものが、ウバーレ。

もっと侵食が進んで、集落ができるような広い平地になったものを、ポリエ(溶食盆地)と言います。
この模式図だと、ポリエはウバーレよりちょっと大きいくらいで描かれていますが、実際には規模が全然違って、幅数キロ、数十キロの大きさの平野で、
下に水がしみこまず、地表に水が流れるくらいまで侵食が進んだものがポリエと呼ばれます。

小さい方から順番に、ドリーネ、ウバーレ、ポリエ。セットで覚えましょう。

さて、カルスト地形はまだあります。
石灰岩の地面に降った雨は、
ドリーネやウバーレにできた割れ目から地面の中へと染み込んでいきます。
そうして地面の中もどんどん溶かされていって、
地中に大きな空洞を作ることがあります。
こうしてできたのが、鍾乳洞です。

また、石灰岩が溶ける時、どこでも均等に溶けるわけではありません。
雨水の流れ方などで、溶けやすい場所と溶けにくい場所があります。
すると、溶けにくい場所は取り残されて、
そこがぽこん出っ張った形になります。
このような出っ張りを「ピナクル」といい、
このピナクルがたくさん並んでいる場所を「カレンフェルト」と言います。

さらに、カルスト地形には原料として石灰岩を採掘するセメント工場も立地しやすいという特徴があります。

カルスト地形の見られる場所の代表例は、
日本では山口県の秋吉台、
海外では、カルスト地方の名前の由来にもなった
スロベニアのカルスト地方や、
中国の桂林などがあります。
地図上でこの辺を問われたら、カルスト地形だと考えましょう。

では、GoogleEarthで秋吉台のカルスト地方を見てみましょう。
大小様々なくぼみがたくさん見られますが、
この一つ一つがドリーネです。
また、白い岩のように見えるのがピナクルで、
これが並んでいるのがカレンフェルトです。

近くには大きな工場も見えますが、
日本最大規模のセメント工場の一つ、秋芳鉱業さんです。

地下に潜ると、このような鍾乳洞が広がっています。
これは理系の人向けの参考程度の情報ですが、
カルスト地形で起こっている反応を化学式で表すと次のようになります。

二酸化炭素というのは、炭酸飲料をイメージすると分かりやすいように、
空気中に逃げていきやすい性質を持っています。
そこで、雨水中の二酸化炭素が減少すると、
平衡が右側に傾いて炭酸カルシウムが再び析出する、
こうして鍾乳洞の中に柱が形成されます。

秋吉台を地形図で見るとこのようになっています。
この地図記号、凹地(おうち)、小凹地(しょうおうち)で、
ドリーネやウバーレを表しています。
地形図を見てこれがたくさん並んでいたら
カルスト地形だと読み取れるようになりましょう。

カルスト地方の例をもう一つ。
世界遺産にもなっている中国の桂林で特徴的に見られる地形です。
細長い山のような形がたくさん見られますが、
これも、石灰岩の溶食によってつくられた地形です。
できかたはカレンフェルトと同じなのですが、
雨水に溶かされずに残った場所が、
このように大きくタワー状になったものを、
タワーカルストと呼びます。

【サンゴ礁】(スライド1枚で)

続いてはサンゴ礁の作る地形です。

サンゴ礁は、沖縄とか南の島とか、
何となく暖かい海にできるというイメージがあるかと思いますが、
光合成で成長する生き物なので、暖かくて、
太陽の光が届きやすい浅い場所に発達します。
さてこのサンゴ礁、形態によって3つ、裾礁、堡礁、環礁と分類されます。

裾礁、堡礁、環礁、というこの順番でサンゴ礁は発達するので、
セットで覚えてしまいましょう。

裾礁というのは、陸地にサンゴ礁がくっついているものです。
日本のサンゴ礁は全てこのタイプです。

そして、海面の上昇などによって陸地が沈み、
サンゴ礁と陸地との間に海が入ってくると「堡礁」と呼ばれます。

サンゴ礁は光合成をしないと生きていけないので、
陸地が海に沈んでいくと、陸地に接していたサンゴ礁が
日光を求めて上へ上へと成長していきます。
こうして堡礁が形成されます。

堡礁は英語でバリアリーフと言います。
世界一有名なサンゴ礁、オーストラリアのグレートバリアリーフは、
この堡礁に分類されます。

そして、サンゴ礁と陸地の間の水域は、ラグーンと呼ばれます。
海岸地形で登場した「潟湖」もラグーンでしたが、
英語だと区別せずにどっちもラグーンと呼んで、
日本語の場合、サンゴ礁のラグーンは、
「礁湖(しょうこ)」と呼んで区別します。

最後は環礁。
陸地がさらに沈んで、サンゴ礁だけになってしまったものです。
インド洋のモルディブなどが代表例です。

はい、今回の動画は以上となります。

その他の小地形としては、これ以外にも、
「乾燥地形」が紹介されている教科書・資料集もあるかと思いますが、
乾燥地形については、気候の乾燥気候で紹介していきたいと思います。

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