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【高校地理】2-7. 河川がつくる小地形(扇状地、氾濫原、三角州) | 2. 世界の地形

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公開日: 2020年6月17日

#扇状地
#氾濫原
#三角州
#地理
#地形

前回まで大地形を見てきましたが、今回から小地形を見ていきます。
大地形とは、大陸や山脈など、世界地図で見て分かるような
大きな規模の地形のことでした。

一方で小地形とは、目で見て「あそこにこんな地形がある!」と分かるような、地形図レベルの小規模な地形のことです。

小地形は、川や海、氷河など色んな要因で作られるのですが、
今回は河川によって作られる小地形にはどんなものがあるのか見ていきたいと思います。

河川が作るってどういうことかというと、
河川には、地形を変える3つのはたらきがあります。
その3つとは、侵食、運搬、堆積です。
侵食とは、流れる水が地面を削り取るはたらき。
運搬とは、削り取った土砂を下流に運んでいくはたらき。
堆積とは、流れが弱くなったところで、土砂を積もらせるはたらきです。
河川は上流ほど流れが急で、下流にいくと流れが弱くなるので、
上流では侵食作用の方が強く、下流では堆積作用の方が強くなります。
この3つの力によって、川があるところではさまざまな地形が作られます。

【河川のつくる小地形】
河川がつくる小地形の全体像を示したのがこちらの図なのですが、
上流から順番に、V字谷、扇状地、氾濫原、そして三角州、
という小地形を解説します。
これらの小地形について、
その地形がどうやって作られたかという「形成過程」と、
その土地が何に使われることが多いのかという「土地利用」
この2点を意識しながら見ていきましょう。

【V字谷と谷底平野】
先ずは一番上流で見られる地形です。
こちらの写真のように、谷の形がV字型になっている場所を「V字谷」というのですが、
川の流れが激しい上流部では、水の流れが山を削ってこのような地形を作ります。
また、洪水が起こると側面にも侵食が広がり、土砂が堆積します。
すると、谷底平野と呼ばれる平野が形成されます。
洪水の危険性が高いため、谷底平野は、公園やグラウンドなどに利用されることが多いです。

【扇状地】
続いて川が山から平野部に出てくるところで形成されるのが、扇状地です。

どうやって形成されるのかというと、
川が山から平野部に出てくると、
流れが急に緩やかになるので、河野運搬力が弱まります。

すると、山から運ばれてきた土砂が、
山の出口(「谷の出口」とも言います)に積もります。
この積もった形が扇形になることから「扇状地」と呼ばれます。

そして扇状地は、上から順に、扇頂、扇央、扇端という3つの部分に分けられます。
それぞれの場所での土地利用の違いを、模式図で見てみましょう。

まずは扇頂。山から出てくる水を利用しやすい場所ではあるのですが、
土石流災害にあいやすいため、大規模な集落は形成されにくい場所です。

一方で、扇央は水が得にくいため、人は住みにくい場所です。
どうして水が得にくいのかというと、こちらの断面図を見てください。

扇央部分は、谷から流されてきた土砂のうち、
「砂礫」と呼ばれる粒の大きくて水を通しやすい土砂が積もってできています。
そのため、水が地面の下を流れる「伏流」という現象が起こり、
扇央部分を流れる川は、普段は地表に水の流れていない「水無川」になります。
そのため、水が得にくくて人が住みにくいのです。
その代わり、水をあまり必要としない作物が作られることが多く、
果樹園がその代表例です。また、戦前には、蚕を育てるための「桑畑」として
利用されることも多かった場所です。

扇端は、扇央で伏流していた水が湧き出てくる「湧水」が起こることから、
集落が最も発達しやすい場所になります。
扇端の湧水帯に沿って集落が列状に発達するため、家が列状に並ぶことも多く、
このような集落の形態を「列村」と言います。

同じ場所を地形図で見てみるとこのように、等高線が扇形に描かれていて、
そして、扇央部分には果樹園の地図記号、扇端の部分には集落があることがわかります。
また、道路もこのように等高線に沿って作られていることがわかります。

扇状地でみられる地形をもう一つ紹介します。
天井川といって、川が道路の上を通る珍しい地形が、扇状地では見られることがあります。
地形図のこの部分に示されているのですが、川の下にトンネルがあって、
そこを道路が通っていることがわかります。

どうしてこのような地形が形成されるのかというと、
扇状地では山から川が運んできた土砂がたくさん堆積します。
すると、川の周りに土砂がどんどんたまって、川底がどんどん高くなっていきます。
そうすると、やがてその下を道路が通れるくらいの高さになり、天井川が形成されます。

ストリートビューで見てみると、こんな風に見えます。
下から見ると上に川が流れているなんて気づかないかもしれませんが、
ここはれっきとした川です。

【氾濫原】
扇状地からさらに下流に下ると、土地は平らになり、川の流れはさらに緩やかになります。
こういう場所では、大雨が降って洪水が起き時に
川の水が広い範囲にぶわ~っと溢れます。
すると、上流から流されてきた土砂がたまり、それによって形成された地形が見られます。
このように、過去の洪水によって作られた地形を、氾濫原といいます。

氾濫原では、
洪水が起こったときに川の水があふれ、川の岸には川の水に含まれていた土砂が積もります。
洪水がおさまると、土砂だけが残されて、川の大きさはもとに戻る。
これが繰り返されて、川のすぐ外側の土地が、周囲よりも高い丘のようになっています。
このような場所を、自然にできた堤防という意味で、「自然堤防」といいます。

「自然堤防」は周囲よりも土地が高く、洪水の時にも水害にあいにくいので、
集落が立地しやすい場所になっています。

一方で、この自然堤防の後ろ側には、洪水のときに流された泥水がたまった、
低くて水はけの悪くて乾きにくい土地が広がります。
このような土地のことを「後背湿地」といい、水田などに利用されます。

また、氾濫原ではこのように三日月状になった湖が見られれることがあります。
このような湖を「三日月湖」あるいは河の跡と書いて「河跡湖」と呼びます。
どうやって出来たかというと、昔はここに曲がりくねって川が流れていたのですが、
洪水が起こったことによって、川の勢いが増して、
蛇行していた川がまっすぐにつながってしまった。
すると、曲がっていた部分だけが残されて
三日月のような形の湖になってしまった、というわけです。

Google Earthで氾濫原を見てみると、このように川の周囲の自然堤防の上に集落が立地して、
その後ろの後背湿地が水田に利用されている様子がはっきりと見て取れます。

また、こちらは北海道で見られる三日月湖です。

三日月湖は、場所によっては既に水が無くなって平地になっているのですが、
それでも、昔そこに川が流れていた頃の地形が残っていて、
このように、今は川が無いのだけれど、昔あった川の自然堤防上に家が並んでいる、
という場所も見られます。

【三角州】
最後は川が海に出るところ、河口部分で見られる地形です。
河口付近は土地が非常に平らなので、川の流れは緩やかになり、
運ばれてきた土砂が積もり続けます。
こうして積もった土砂によって作られた地形が、三角州です。

三角州はさらに、その形によって3つに分類されます。

1つ目は、鳥趾状三角州です。
この写真のように、鳥の足のように見えることからこう呼ばれます。
土砂が沢山流れてくる一方で、
波が弱くて土砂が海に運ばれて行きにくい場所では、
土砂が堆積し放題で、ランダムな方向に足が伸びていきます。
すると、このような三角州が形成されます。
代表例はアメリカのミシシッピ川の河口です。

2つ目は、円弧状三角州です。
先ほどの鳥趾状三角州よりも、海が海岸を削る力が強い場所では、
三角州の先端部分が波で削られますが、
それでも土砂がどんどん供給されるため、
このようにコンパスで円を描いたような形になります。
代表例は、アフリカのナイル川です。

3つ目は、カスプ状三角州です。
海の波による浸食作用がさらに大きいと、
河口に近い部分以外の土砂は波で削られてしまい、
河口付近だけが尖ったような三角州になります。
代表例は、イタリアのテベレ川です。

三角州の土は細かくて水持ちが良いので水田に利用されることが多いです。
日本だけでなく、東南アジアやバングラデシュなど、三角州では
広大な稲作地帯が広がっている場所も多く、たくさんの人を養うことができます。
一方で、海のすぐ近くで標高も低いので、水害にあいやすい、という危険性もあります。

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東大物理学科卒、日本物理オリンピック金賞など輝かしい実績を持つガチ中ガチ、林先生です。取り扱う問題は難しいですが解説は丁寧かつ論理的で分かり易いので受験生におすすめ!

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