センター小説の誤解を解く

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再生: 904回

公開日: 2019年9月27日

センター第2問の解説で耳にする
「これは本文に書かれていないので正解にはならない。」
という文言。

間違っていないのですが、これを誤解してしまっているが故にどんどん沼にハマっていく人が後を絶ちません。
この誤解を解いて正しく理解すれば、今まで第2問に苦手意識を持っていた人も、８割、満点を狙えるようになるかもしれません。

今回はこの「本文に書かれていないので不正解」について誤解を解いていきます。

まず、小説を読解する上での大前提は登場人物の"感情"と"行動"に注目する、ということです。

特にセンター試験では、登場人物の感情についての問が多い傾向にあります。
例えば

(傍線部)とあるが、この時の○○の感情として正しいものを選べ。
(傍線部)とあるが、この時○○はどうして△△と思ったのか、正しいものを選べ。

というような問題は目に穴が空くほど見たことがあるはずです。

この２つは、登場人物の感情を直接聞く設問と、登場人物の感情が引き起こされた理由を聞く設問です。

もちろん、解答の根拠は本文中にしかない(本文外から根拠を持ってくるのはアリエナイ)ので、該当しそうな箇所を読んでいくわけですが、
ここで「本文に書かれていなければ不正解」の呪縛にかかっていると
「どこにも感情なんて書いてない！！」
なんてことになってしまい
とりあえず選択肢を読んで1番それっぽいものを選んだり、該当箇所ではない場面に書いてある感情を選択して、枕を濡らすことに…

さらに、模範解答と解説を読むと本文に書かれていない選択肢が正解になっている。
もうお手上げですね。

しかし、それはその問題が悪問であるということではありません。(多分)

では、どうすれば正解することができたのか。
それは、はじめにも言いましたが"行動"と"感情"の両方に注目することです。

今言った解き方は、解答に該当しそうな箇所の"感情"を探しているだけで、"行動"をまるで無視しています。

ずばり、今回解きたい誤解はここです。
感情は、直接表現されないこともある。
行動から感情を読み解くことこそが小説の読解である。
ということです。

例えば
"顔を真っ赤にして"という行動(ここでは広く行動とみなします)の表現があった時、どのような感情を読み取ることができるでしょうか。
羞恥、緊張、怒り、喜び…
といった感情を読み取れそうですね。

なら、それらの感情が書いてある選択肢が正解かと言われると、そういうわけでもないんです。
今は行動から感情を予想、妄想したにすぎません。
その証拠に、同じ行動から、怒りや喜びといった正反対の感情が出てきています。

しかし、かなり正解には近づいています。
ではどうしたら正解できるのか。

例えば、それまでの文中で恥ずかしがり屋だと分かっている人物が、大勢の前で話す場面で赤面したら、それは羞恥や緊張の類だと分かりますよね。
これは妄想ではなく、状況から読み取れる感情なので、妥当性があります。

となると、緊張や羞恥の選択肢が正解となってくるわけです。

このように、文章には直接書かれていなくても、行動の裏に隠された感情が書いてあることが多いです。
これを読み取ることが読解であり、行間を読むということなのです。

これを意識するだけで、小説はぐっと読みやすくなり点数にも繋がっていくことでしょう。

#センター試験　#センター小説

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