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【高校地理】3-2. 大気大循環(雨季と乾季の生じるしくみ) | 3. 世界の気候

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公開日: 2020年8月06日

#高校地理
#気候
#大気大循環
#雨季と乾季

高校地理の授業動画、気候の第2回は「大気大循環(雨季と乾季の生じるしくみ)」です。
気候の難所の一つ、「大気大循環」や「雨季と乾季の生じるしくみ」について、分かりやすく解説していきます。

「世界の風と雨はどんなしくみになっているの?」ということで、
前回、気候の三大要素の一つ、気温を見てきましたが、
残る三大要素「風」と「雨」について、
ここから数回の動画で見ていきます。

今回の動画の構成は、
1.風の吹くしくみ
2.大気大循環
3.雨季と乾季の生じるしくみ
について勉強します。

風の吹くしくみ

先ずは、そもそも、風はなぜ吹くのか、
という仕組みについて説明します。

空気というのは、
沢山詰まっているところから、
少なくてスカスカしたところに向かって、移動します。
この、空気の移動が「風」です。

そして、空気が沢山詰まっているところ、すなわち空気の密度が濃いところは、
気圧が高い、高気圧、と表現されます。

そして、空気がスカスカしてるところ、空気の密度が薄いところは、
気圧が低い、低気圧、と表現されます。

つまり風は、気圧の高いところから低いところに向かって吹きます。
これを意識しながら、大気大循環を見てみましょう。
(ここまで50秒)
大気大循環

大気大循環とは、地球全体での空気の大きな流れのことです。

先ず、赤道付近を見てください。
ここは、太陽の熱を一番多く受ける場所なので、
空気は温められて軽くなり、上空に昇っていくため、
いつも上昇気流が発生しています。

このような状態を地理学では、
「赤道付近では一年中上昇気流が卓越する」
と表現します。
「卓越」とは、「それが頻繁に発生する」とか「それの影響が大きい」
という意味で、気候の分野でよく出てくる言葉です。

空気がどんどん上空に行ってしまうので、
赤道の地表付近は空気が少ない場所、
すなわち気圧の低い場所となるため、赤道低圧帯と呼ばれます。

さて、上空に昇った暖かい空気は、
高緯度側にも広がっていくのですが、
ある程度のところまで来ると、
温度が下がって、また地表に降りてきます。

こうして一度昇った空気がまた地面に降りてくる場所が、
概ね緯度30度ぐらいのところです。

このあたりは、上空から降りてくる空気の流れ、
つまり下降気流が卓越するので、
たくさん空気の詰まった、高気圧帯となります。

そのため、緯度30度付近は
中くらいの緯度で高気圧帯ができる場所、ということで
中緯度高圧帯(もしくは亜熱帯高圧帯)と呼ばれます。

中緯度高圧帯で下降してきた空気は、
地面にぶつかって、両側に分かれます。

そして空気は、気圧の高いところから低いところに、
空気のたくさんあるところから少ないところに向かって移動するんでした。

ということで、分かれた空気の一方は、
赤道低圧帯に向かって、上昇気流で空気の少なくなった場所に向かって流れ込んでいきます。

赤道低圧帯は、こうして周囲から
空気が流れ込んでくる場所、収束する場所でもあることから、
「熱帯収束帯」とも呼ばれます。

以上のように、赤道低圧帯から中緯度高圧帯では、
空気の回転、循環が生まれることになります。

さて、今度は北極・南極付近を見てみましょう。
北極や南極は地球上で最も温まりにくいところなので、
空気は冷たく重くなって、下降気流が常に卓越して、
高気圧帯が生じます。
これを、「極高圧帯」と言います。

極高圧帯で地表に降りてきた冷たい空気は、
低緯度方向へと流れていきますが、
やがて、緯度60度のあたりで、
先ほど中緯度高圧帯で下降して、高緯度側に流れてきたやや暖かい空気とぶつかります。

そのため、冷たい空気の上に暖かい空気が乗っかるような形で、
緯度60度の付近でもう一つ上昇気流が発生して、
低気圧帯が生まれます。
この低気圧帯を「亜寒帯低圧帯」といいます。

こうして、地球全体で見ると、
大きく3つの空気の循環ができあがります。

さて、これがどう「風」を生み出すのかみていましょう。

この図で表した北半球では、
中緯度高圧帯と赤道低圧帯の間では、
北から南に風が吹くことになり、
中緯度高圧帯と高緯度低圧帯の間では、
南から北に風が吹くことになるように見えます。
しかし実際には、ここに地球の自転の影響を加える必要があります。

地球は西から東に向かって自転しているので、
地球の上に乗ってる我々も、空気も、
止まっているように思えても、地球の自転と同じスピードで動いてるんですね。

ただ、このスピードは、場所によって違います。
赤道上であれば、自転のスピードは1日に地球一周分ですが、
緯度の高いところでは、1日に動く距離はずっと少なくなるので、
自転のスピードもゆっくりになります。
北極、南極なら、自転のスピードはゼロです。
緯度が低い場所ほど、そこにある人や空気も速く動いているのです。

そのため、
緯度30度付近と緯度60度付近を比べると、
緯度30度付近にある空気の方が速く、東方向に動いています。

東方向への速い動きを持ったまま、
北方向に風が流れると、
こんな風に慣性力によって、東向きに風が曲がって行くことになります。
この風、地表にいる人から見ると
西から吹いているように見えるので「西風」と言いますが
中緯度高圧帯と高緯度低圧帯の間で
こうして吹く西風を、「偏西風」と呼びます。

偏西風は上空ほど風が強くなるという性質があって、
上空1万mくらいの場所では、西から東に向かって
時速300kmにも達するものすごい速さの風が吹いています。
ちょうど日本の上空を通るあたりに吹く風なので、
飛行機は、このジェット気流にうまく乗ることで、
燃料を節約して目的地に着く工夫をしています。

続いて、中緯度高圧帯から赤道低圧帯への風を考えてみましょう。
この場合は、赤道付近の方が自転のスピードが速いことになります。
すると、北から来た風は地面が自転するスピードに置いていかれてしまって、
こっち向きに曲がっていきます。
つまり、中緯度高圧帯と赤道低圧帯の間では、
北東からの風が吹くことになります。
この風を「貿易風」と呼びます。

同様の仕組みで、極高圧帯から亜寒帯低圧帯に向かっても
東からの風が吹くことになって、この風は「極偏東風」と呼ばれます。

このように、自転している場所で空気が移動すると、
実際には自転のスピードが場所によって違うだけなのですが、
あたかも、風をぐにゃっと曲げるような力が、
あくまで見かけ上ですが生じているように見えてしまいます。
この見かけ上の力を「コリオリの力」と呼びます。
偏西風や貿易風は「コリオリの力」によって生じていると言うこともできます。

なお、今説明した偏西風や貿易風が曲がる仕組み、
コリオリの力についての説明は、
やや発展的な内容になりますので、メカニズムを無視して
風の名前と吹く方向だけ覚えてしまっても、高校地理では差し支えないかと思います。

さて、今まで見てきた、この地球全体での空気の流れが、
「大気大循環」です。
そして、大気大循環によって生じる「貿易風」「偏西風」「極偏東風」は、
一年中吹いている風という意味で「恒常風」と呼ばれます。
(ここまで7分)

では、今見てきた風の流れを実際に見てみましょう。
こちらの、earth.nullschoolというウェブサイトは、
目には見えない風の動きを可視化してくれるサイトです。
こちら、上空1万mくらいの風の動きで、
ジェット気流が西から東に向かって
激しく流れている様子が見て取れます。
大気大循環と降水

続いて、この大気大循環が、
各地の雨、降水量に与える影響について見ていきます。

雨というのは、上昇気流のある場所で生じます。

上昇気流によって空気が上空に昇っていくと、
空気が冷やされて、空気中に含まれていた水分、水蒸気が雲になります。
そのため、上昇気流のある場所では雨がたくさん降ります。

逆に、下降気流のある場所では、
空気がどんどん下に下がってきてしまうので、雲ができません。
そのため、下降気流のある場所は、雨が少なくなります。

この仕組みを、大気大循環の図に当てはめてみます。

赤道低圧帯では常に上昇気流が卓越しているため、
雨が沢山降る地域、多雨地域になります。
亜寒帯低圧帯も同様に、雨が沢山降ります。

逆に、中緯度高圧帯や極高圧帯は、
常に下降気流が卓越しているため、
雨が降らない地域、少雨地域になります。

赤道付近から高緯度側に向かって、
多雨、少雨、多雨、少雨、と雨の多い場所と少ない場所が
交互に現れることになります。

こちらの図は世界の年間降水量を表した図ですが、
赤道付近は雨が多くて、緯度30度付近、サハラ砂漠のあたりですね、は雨が少なくて、
そしてまた雨が多くなって、北極の近くは雨が少ない、という傾向が
大まかに見られることが分かります。

大気大循環は恒常風だけでなく、
こうした世界の降水量の違いも生み出しています。
(ここまで8分半)

大気大循環と雨季・乾季

大気大循環はさらに、雨季と乾季も生み出します。

太陽の光がいちばん当たる場所では、上昇気流が発生し、
赤道低圧帯と呼ばれましたが、
太陽の光が一番当たる場所というのは、
常に赤道上であるわけではありません。

地球が自転する軸、これを「地軸」と言いますが、
この地軸がやや傾いて自転しているため、
季節によって、太陽が真上に来る場所が変化していきます。

7月、北半球が夏の時には、このように赤道よりも北側で
太陽は真上に来るため、赤道低圧帯の位置も、赤道よりも北側にずれます。
それに伴って、中緯度高圧帯や亜寒帯低圧帯なども、全体が北方向に動きます。
結果的に、雨の降る場所、降らない場所も変わります。

1月には逆に、赤道よりも南側で太陽は真上に来るため、
赤道低圧帯の位置も、他の気圧帯の位置も、全体が南側にずれます。

この1月と7月の図を重ねて見てみましょう。

赤道付近は1月でも7月でも赤道低圧帯に含まれるので、
一年中雨が降る気候になります。

赤道から少し緯度が上がると、
ある時期は赤道低圧帯に含まれて雨が降るけれど、
別の時期には中緯度高圧帯に含まれるので雨が降らない、
つまり、雨季と乾季に分かれる、という地域が現れます。

さらに高緯度側に行くと、
1年中中緯度高圧帯に含まれていて、年中乾燥する、という地域になります。

つまり、赤道から緯度が上がるにつれて、
年中多雨、雨季と乾季が分かれる、年中乾燥、
という降水パターンの変化が生まれます、

このパターンが最もはっきり見られるのがアフリカ大陸です。
衛星写真で見ると、赤道から高緯度に向かって
濃い緑から茶色にきれいに色が変化していますが、
赤道付近の濃い緑の部分は一年中雨の降る熱帯雨林が広がっています。
薄い緑の地域は、雨季と乾季の分かれるサバンナが広がり、
茶色い部分には、年中乾燥するためサハラ砂漠が広がっています。

また、同様に地中海周辺の気候も説明することができます。
地中海沿岸は夏にカラッと雨が少なく、冬に雨が降るのですが、
それは、地中海が緯度的にはちょうどこのあたりに位置しているからです。

夏、7月には中緯度高圧帯が北側に移動してきて
地中海沿岸を覆ってしまうので、雨が降らずに乾燥した気候となります。
しかし冬、1月には、南に移動してきた亜寒帯低圧帯の影響下に
地中海が入るので、冬にはたくさんの雨が降ることになります。
はい、今回の動画は以上となります。

なお、今回の動画に関する確認問題もGoogle Formで用意しましたので、
チャレンジしたい場合は、コメント欄にあるURLからアクセスしてください。

次回の動画は気候の残る三大要素、風と雨についてです。

感想や質問などあれば、コメント欄にお書きください。
それではまた次回!

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東大物理学科卒、日本物理オリンピック金賞など輝かしい実績を持つガチ中ガチ、林先生です。取り扱う問題は難しいですが解説は丁寧かつ論理的で分かり易いので受験生におすすめ!

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